解説
ミハイル・チゴーリンは19世紀末を代表するロシアの名手で、ロシアに組織的なチェス文化を築くうえで決定的な人物でした。出版、指導、大会振興を行い、ロシアの選手が国際最高水準で戦えることを示しました。
1889年と1892年にヴィルヘルム・シュタイニッツの世界王座へ挑戦しましたが、両マッチとも敗れました。彼のチェスは、駒の活動性と具体的計算を重視しました。具体的計算とは、一般的な戦略原則だけに頼らず、実際の着手と応手の列を分析することです。
複数のオープニングに名前が残っています。最も有名なのはクイーンズ・ギャンビットに対するチゴーリン・ディフェンスで、黒は早い段階でナイトを展開して中央へ圧力をかけます。型破りな構造を受け入れる姿勢は、一般原則と特定局面の要求をどの程度重視すべきかという後世の議論を先取りしました。
出典
- 1.Mikhail Ivanovich Chigorin, Encyclopaedia Britannica
- 2.The Oxford Companion to Chess, Oxford University Press
