解説
ロマン派は、主に19世紀のチェスに用いられる歴史的な呼称である。オープンな局面、駒の素早い展開、つまり初期配置のマスから有効なマスへ駒を出すこと、そしてキングへの直接攻撃と結び付けられる。オープンな局面ではポーンによる遮断が比較的少なく、ビショップ、ルーク、クイーンが素早く働ける。
ロマン派のプレーはイニシアチブ、つまり相手に対応を強いる脅威を作る力を非常に重視した。ギャンビットも多く、通常はポーンなどのマテリアルを意図的に差し出し、手数や駒の活動性を得ようとした。マテリアルとは、各陣営が保持している駒とポーンを指す。別の利点を得るためにマテリアルを自発的に差し出すサクリファイスや、具体的な結果を生むよう計算された手順であるコンビネーションも頻繁に見られた。
アドルフ・アンデルセンとは、この時代を代表する二人である。アンデルセンが1851年にキーゼリツキーと指した有名な「不滅の一局」は、その攻撃とサクリファイスによってロマン派の美学を象徴する存在になった。ただし、偉大なロマン派の選手をすべて無謀なサクリファイスだけで説明するのは適切ではない。たとえばモーフィーは、華麗な攻撃と極めて効率的な展開を両立させていた。
後にシュタイニッツと結び付けられるは、客観的な局面上の優位に基づいて攻撃を正当化することをより重視した。ロマン派は公式規則を持つクラブではなく、ある時代と共通するプレー上の好みを説明するための有用だが単純化された呼称である。
よくある混同
サクリファイスそのものが目的
ロマン派チェスは攻撃とイニシアチブを重視したが、どんなサクリファイスでも良い手になるわけではない。優れた例には具体的な見返りがある。
正式な学派
「ロマン派」は後世の歴史的呼称であり、アンデルセンやモーフィーが正式に加入した組織ではない。
