解説付き対局
エマヌエル・ラスカー対カパブランカ:サンクトペテルブルク1914
Emanuel Lasker · José Raúl Capablanca · 1914 · 1-0
この対局は、クイーンのいない局面でも、首位争いを変えるだけの緊張が残り得ることを示している。この研究では、対局者カパブランカの説明と、Chess Strategyの著者エドワード・ラスカーの説明を区別する。白を持っているのはエマヌエル・ラスカーであり、エドワードではない。
解説
サンクトペテルブルク1914は4月21日から5月22日まで開催され、11人の有力マスターが集まった。形式が独特で、最終順位を理解するには2つの段階を区別する必要がある。 が に勝ったことは逆転の要だったが、その1局だけで大会の結末を説明することはできない。
大会の仕組み
- まず11人の参加者が1回総当たりを行い、それぞれが他の10人と1局ずつ対戦した。
- 上位5人のカパブランカ、ラスカー、タラッシュ、アレヒン、マーシャルが決勝段階に進んだ。
- その5人が次に2回総当たりを行い、各対戦相手と2局ずつ戦った。
- 第1段階の得点は持ち越され、決勝の得点に加算された。順位争いはゼロからの再出発ではなかった。
カパブランカは第1段階を10局中8ポイントで終え、ラスカーとタラッシュは6.5ポイントだった。決勝が始まっても、このリードは消えなかった。それを覆すため、ラスカーには残る8局で大きく異なる成績が必要だった。ラスカーは8局中7ポイントを挙げ、カパブランカは5ポイントだった。18局の合計はラスカーが13.5ポイント、キューバのカパブランカが13ポイントとなった。 は10ポイントで3位に入った。
逆転劇の中の直接対決
決勝での決定的な対局を前に、ラスカーとカパブランカの得点は並んでいたが、カパブランカは1局少なく消化していた。つまり順位表には重要な違いが隠れていた。カパブランカには得点する機会がもう1局分多く残っていたのである。ラスカーのほうが切迫していたが、直接対決に勝っても、それだけで首位が確定するわけではなかった。
戦いは序盤からキングを攻める形にはならなかった。ルイ・ロペスのエクスチェンジ・バリエーションから、早くもクイーンのいない中盤に入り、両者は異なるポーンの多数派を持ち、駒の活動性を争った。ラスカーは黒のルークが動きにくくなる位置にナイトを据え、別のサイドへ戦力を移せるだけの圧力を保った。中央のポーンブレイクは、その制約を具体的な脅威へ変えられる時点で行われた。最後はエクスチェンジの獲得と、オープンファイルからのルークの侵入が組み合わさった。カパブランカは投了し、盤上でチェックメイトが指されることはなかった。
優勝争いは続いた。その後、ラスカーが休みのラウンドにカパブランカはタラッシュに敗れた。続いてカパブランカは最後の2局を勝ち、ラスカーはタラッシュと引き分け、最終局でマーシャルを破った。したがって最後の 半ポイント 差は、1局の華麗な勝利に自動的に与えられた報酬ではない。終わりまで追い上げを続けた結果だった。
2つの読み方がある名局
この対局には、解説者が白のプランを同じようには説明していないという、もう1つの興味深さがある。カパブランカは でfポーンの前進に疑問を示し、それによって白が勝勢になったという見方を否定した。自分が誤りと考えた判断を認め、別の防御手段も提案している。敗れた当事者の視点という点で貴重な記述だが、その評価は検討すべき議論であり、最終的な判定ではない。
一方、Chess Strategyの著者であり、エマヌエル・ラスカーとは別人のエドワード・ラスカーは、その構想が生む機動性と相手への制約を評価した。彼の説明は、その後のナイトとルークの連携を追う助けになる。両方の解説を読むことで、2つの異なる主張を混同せずに済む。プランが実戦で最終的に機能したということと、最初から黒に防御手段がなかったということは別である。前者は実際に起きたことを述べ、後者には代案の検証が必要になる。
大会は第一次世界大戦の開戦数か月前に行われ、ブラックバーンからアレヒンまで、複数の世代が集まった。したがって、その記憶は上位2人の対決だけには収まらない。参加者の幅広さと、2段階の得点を積み上げて作られた順位表もその一部である。この形式は、 のように単一の順位表で競う大会とは異なる。
歴史的な対局を追体験
サンクトペテルブルク大会、1914年。
ラスカー対カパブランカ、1914年
エマヌエル・ラスカー、白としてプレイします
ポーン構造を、駒の働きに結びつけましょう。
よくある混同
決勝はゼロから始まった
決勝に進んだ5人は、予選段階で得たポイントを持ち越した。両段階の成績を合算して最終順位を決めた。
出典
- 1.The Grand International Masters' Chess Tournament at St. Petersburg, 1914, Internet Archive
- 2.Revisiting St. Petersburg 1914, ChessBase
- 3.Chess Fundamentals, Part II, Game 5: Ruy Lopez (St. Petersburg, 1914), José Raúl Capablanca; Project Gutenberg, eBook 33870
- 4.Chess Strategy, Part II, Game No. 18: Emanuel Lasker vs. Capablanca, Edward Lasker; traducción inglesa de J. du Mont; Project Gutenberg, eBook 5614
